って自分にい

2015年08月12日/ HKUE 認可性



「運転はどうでした?」
「右ハンドルにはさほど抵抗がなかったんですけど、対向車が右側から来るのは少し怖かったです。でも直進している間は、左側通行をさほど意識せずに済んでいました」
「直進の間はね。しかし交差点で曲がる必要があった」
 その時のことを思い出しているのだろうか、由利子は目を閉じた。
「交差点に入る直前までは、曲がったあとも左側Neo skin lab 美容車線に入るんだぞいきかせていたんです。ところが信号のことをちょっと気にした途端、ふらふらと反対側車線に入っていました。あっと思った時は遅くて……」
 両手で顔を覆った。その指の間から涙が流れる。
「よくあることです」
 慰めるつもりで織田はいった。「もっともあなたとは逆に、日本人ドライバーが海外に行った場合のことですがね。咄嗟の時、ついいつもの癖が出る」
 織田が持っているガイドブックにも書いてある。発進時と左折時に左側車線に入ってしまうドライバーが多い、と。立場を逆にすれば、米国で免許を取ったドライバーは、右折時に反対車線に入ることが多いということになる。由利子のケースがまさにそれだった。ハンドル位置や車線、すべてが鏡に映したように逆なのだから無理もない。
「あわてて外に出ると、バイクの人は倒れて全く動きませんでした。どうしようかと思いました。こんな大事な時に、大変なことになってしまった……と」
「大事な時、つまりオリンピックを来年に控えて、ということですか」
 彼女はこくりと頷いた。
「人身事故を起こしたら、どんなに成績がよくてもオリンピックには出Amway安利場できないと思いました。仮に選ばれても、辞退しなくちゃならないでしょう」
 何年か前にもそういうことがあったなと織田は記憶を探っていた。あれは冬季五輪だ。メダルを狙える日本の名ジャンプ選手が、人身事故を起こして出場を辞退したのだ。本人は無論そうだろうが、ファンまでもが大いに悔しい思いをしたものだ。
「そうしたら中野さんがおっしゃったんです。ここは何とかするから逃げろって」
「自分が運転していたことにしようと考えたわけだ」
「はい。それであたし、とにかくその場を離れなきゃいけないと思って走り出したんです。そうしたら途中で人に呼びとめられました。びっくりして声のした方を見ると、知らない人が車の中から呼んでいるんです」
 そういうことか、と織田は納得した。
「それが三上さんだったのか」
「三上さんは事故のようすを目撃していて、あたしが逃げ出すところも見ていたんです。あたしが誰なのかも御存知でした。事情はわかっているから早く乗りなさい。部屋まで送ってあげるから――そうおっしゃいました」
 三上の狙いは何だったのだろうと織田は考えた。単に女子マdream beauty pro新聞ラソンのファンなのか。そうではあるまいと思った。ここで恩を売っておき、後で独占取材か何かの形で返してもらおうと計算したのではないか。あの男の仕事はフリーライターだった。
「ここに戻ってきてから、すぐに監督に相談しました。すごく叱られました。そのあと、とにかくおまえは何も知らなかったことにするんだといわれて……」
「なるほどね」  

Posted by 時光輪回 at 15:53Comments(0)

遺族に、挨拶ひ

2015年08月05日

 

 翌朝、明るくなってから、陣内と金沢は再び現場に出向いた。スリップ痕などは二、三日残っているので、なるべく明るい時に撮影した方がいいのだ。
「ブレーキ痕から察すると、友野の方は七十キロ近く出してたな。あの野郎、嘘ばっかりいいやがって」
 日頃、温厚な金沢が珍しく強い口調でいった。御厨健三が死んだからだろう。しかも直接の加害者である友野は、いつの間にか病院から免費 激光淡斑消えていたのだ。とつしていない。それで先程、陣内が自宅に電話したところ、
「俺が悪いんじゃないよ」
 と、ふてくされたような声でいった。
「信号無視したのは向こうだぜ。死んだのは、自業自得ってもんだよ」
 それでも挨拶ぐらいはしておくものだというと、
「被害者はこっちなんだ。挨拶なら向こうから来ればいいんだよ」
 ふてぶてしく答える有様だった。
 主な見分項目を確認したあとで、
「あの子のいった通りだな。御厨健三の方は五十から六十ってところだろう。ブレーキのタイミングが少し遅れ気味かな。いっそ、走り抜けていたら死亡事故は防げたかもしれんが、まあいっても仕方香港酒店招聘のないことだ」と金沢がいった。
「制限時速を十キロや二十キロオーバー程度なら、許せる範囲ですよ」
 友野の印象が悪いので、ついつい御厨健三を擁護する言い方になった。
 引き揚げる前に看板を立てた。次のようなものだ。
『今月七日午前零時頃、ここの交差点で乗用車同士の衝突事故がありました。現在目撃者を探しています。お心当たりのある方は、××署交通課まで御連絡下さい』
 文面を見直してから陣内は吐息をついた。仮に目撃者がいたとしても、名乗り出てこないのは何らかの理由があるからだ。その理由がたとえ「面倒くさいから」という単純なものであっても、この看板を見たからといって心変わりするとは思えなかった。いやその前に、いったい何人の人間がこの看板に目を止め、その文面を最後まで読むだろう?
「嫌な予感がしますね。このまま終わってしまいそうで」
 大勢の人々が横断歩道を渡るのを見ながら、陣内は呟《つぶや》いた。どんなに大きな事故でも、三日|経《た》てば殆《ほとん》ど忘れられてしまう。
「まあもう少し待つさ」
 金沢も力なく答えた。
 この夜、陣内は、地味な服に着替えると、ふらりと散歩に出た。といっ<BBA 實習ても目的がないわけではない。御厨家が陣内のアパートからさほど離れておらず、今夜そこで通夜が行われるということを知っていたのだ。ちょっとようすを見に、というのは自分に対する言い訳で、じつのところは御厨奈穂に会いたかったのだ。  

Posted by 時光輪回 at 00:48Comments(0)